ある写真家の友人の一言が心に残っている。
その友人は以前「廃墟写真」を専門に撮っていたらしいのだがある時、ふとこう思ったらしい。
「廃墟巡りって結局はディズニーランドと一緒だなって。アトラクション(廃墟)があってあとはそこに出向いてシャッターを切るだけ」
彼はそう感じてから廃墟巡りは止めてしまった。
その話を聞いて「それってそのまま建築系ファインアートにも当てはまるな~」と思った。
有名建築巡って、あとはシャッター切るだけ。
まあ実際は構図を考えたり、ライトを読んだり、フィルター使ったりというプロセスはあるにしろ、基本は用意されたアトラクション(建築物)で遊んでるだけなのかもしれない・・。
そんな思いを
ちまたにあふれる有名・人気建築物の同じようなモノクロ系建ファインアートを見るたびその思いを募らせるのだった。
写真は建築家:安藤忠雄さんの狭山池博物館。
クリアな池の水鏡、すごいでしょう?
いえ、これもすべて安藤先生の計算によるもの。もともとこのように建築が映るように設計されている。
そう、だからこの場所に行けば誰でもこのように撮れる。
私はその才能の一部をお借りして、私のエッセンスを少したして“私の作品”としただけ。しいて言えば建築家もしくは建築との”コラボ”といえるかもしれない。
“建築系ファインアート”は建築家のリスペクトを忘れた時点で、ちまたにあふれるディズニーランド写真に成り下がってしまうと思うのだ。
自戒をこめてのブログ。