その時々の撮影でベストを尽くしてきたと思うけど、「こうしておけば・・・」と後から思うこと数知れず。
常に前を向いて進むのは良いことだが、時にはちょっと後ろを振り返ると、そこから学べることがあるかもしれない。
ということで、これまでの作品の裏側, 撮影背景、をたまに紹介していこうと思う。
第一回目は偶然に丁度3年前の9月2014年の東京タワーへ。
東京スカイツリーの開業で、その不動の観光名所の地位が揺らいだ感のある東京タワー。
撮影日の2014年は開業後二年とまだまだ人気の衰えない東京スカイツリーを後目に、私があえて選んだのは東京タワーであった。
ここ増上寺は“お寺と近代的なタワー”という組み合わせの妙が人気な撮影スポットである。
しかし、この場所通常のレンズで東京タワーを全景で入れようとすると、どうしても先つぼみになってしまう。
そのせいか巷にあふれるコラボ写真もタワーが先つぼみのものばかり。
ということで、当時手に入れたばかりのPC-24mmを使ってしっかりと垂直を出しつつ全景をいれ、かつ増上寺とのコラボを完成させる、というのが当初のコンセプトだった。
寺と正対せずに若干の角度をつける構図も試したが、ここは生成堂々真っ向勝負することに。
上方向へ最大のシフト(ライズ)でタワーもすっぽりおさめることが出来た。
それにしても東京屈指の観光地なだけに、平日といえども観光客が多い。この日は修学旅行生徒で賑わっていた。
きっちりと垂直が出て、お寺もタワーも真っ直ぐで気持ちいい。しかし空の構図をしめる割合が多く、バランスが悪く感じる。
かといって・・地面を多く入れると当然タワーの上部が切れる。縦構図にしようか迷う所だ。
シフトしないで撮影。当然このような構図になり普通の24mmレンズではレンズを上方に向けない限り東京タワーのてっぺんまで写すのは無理.
こんな時に便利なのがPCレンズ。シフトしない状態で撮った写真と合成すれば構図に余裕ができる。
その場で合成結果がその場でわからないのが残念。そういった点では最近のスマホの方がパノラマ作成
では優れているかもしれない。
Date: 2014/09/18 Time: 14:30:34, NIKON D800E, Lens (mm): pc-e 24 ISO: 100 Aperture: 10 Shutter: 300sec.
Date: 2014/09/18 Time: 14:25:06, NIKON D800E, Lens (mm): pc-e 24 ISO: 100 Aperture: 10 Shutter: 300sec.
二枚を合成した後の画像。オリジナルサイズは7206x7206。5000万画素近い解像度をキープできる。
この撮影時にしようしていたのはFormatt-Hitech の旧型NDフィルター。
10stop+6stops で16stopsで使用していた。青かぶりしてしまうのが欠点だったが、モノクロ現像を想定する場合あまり問題はなかった。レザン製で軽いのが良かった。この後新型のFirecrest 16stopsでは 劇的に進化。青かぶりもほとんど気にならないレベルに向上した。ただガラス製なので取扱いには注意が必要だ。近日中にさらなる品質向上したフィルター、Firecrest ultra が発表されるらしい。既存のFirecrest16でも特に不満はないのだが、さらなる品質向上が楽しみだ。
子供の頃みた映画「フィラデルフィア・エクスペリメント」。
1943年、アメリカのフィラデルフィア港で行われた極秘実験の影響で未来へタイムスリップしてしまった軍艦。
その未来というのは1984年、で映画が封切られた年にあたる。
とりわけ大好きな映画というわけでもないが(日曜洋画劇場で数回みた記憶がある)、なぜかタイトルだけは鮮明に覚えていた。
“東京で極秘裏に行われた実験”により東京タワーが、江戸時代へタイムスリップ、
そのような空想をしつつタイトルなのであった。
※増上寺は1393年室町時代の創建といわれている。